うつ病や気分障害を抱える方々にとって、公的制度を利用することは大きな支えとなります。
特に、離職中や休職中の方は常にお金の不安を抱えているため、公的な制度で経済的支援を受けて負担を軽減できると、安心して療養や社会復帰に向けての訓練に集中できます。
精神障害者手帳は、税金軽減や医療費助成、雇用支援などのメリットを提供します。また、障害年金は、生活を支えるために役立つ重要な制度です。今回は、精神障害者 保健福祉手帳についてくわしくご紹介します。
精神障害者保健福祉手帳とは?
精神障害者保健福祉手帳は、うつ病などの精神障害を持つ方が利用できる公的な制度です。手帳を取得するためには、一定の条件(精神科・心療内科の初診から半年以上経っていること)を満たす必要があります。手帳を持つことで、税金や医療費の負担を軽減し、雇用支援を受けるなどのメリットがあります。
手帳には1級、2級、3級の3つの等級があり、厚生労働省の定めた基準に基づいて判定されます。
精神障害者手帳を取得する主なメリットは以下の4点です。
1.障害者雇用での就職・転職活動ができる:障害者向け求人への応募が可能になります。
就職活動や転職活動において、手帳を提示することで雇用主に障害への配慮を受けながら、働くことを希望できるようになります。
2.税金の控除や減税が受けられる
所得税や住民税の障害者控除を受けることができます。
3.公共料金などの一部割引サービスが受けられる
公共料金(水道、ガス、電気など)の割引や、助成金制度、携帯電話基本料金の割引、博物館などの公共施設の割引などがあります。こちらは、各自治体によって内容が変わります。
4.公共交通機関に割引料金で乗車することができる
公共交通機関で一定の割引を受けることができます。
名古屋市・障害等級が2級、3級の場合:市バス・地下鉄、ゆとりーとライン、あおなみ線の全区間で無料乗車が可能
精神障害者手帳の申請方法
1.申請資格の確認 :精神障害者手帳は、長期にわたり日常生活や社会生活に支障をきたしている方が対象です。そのため、精神障害で初めて受診した日から6ヶ月以上が経っていることが必要です。
2.申請書の入手 :住所地の市区町村の役場で申請書を入手します。
3.必要書類の準備 :精神科の主治医が作成する診断書(自費)が必要になります。また、写真、身分証明書などの必要書類を用意します。
4.申請書の提出 :申請書と必要書類を市区町村の役場へ提出します。
5.審査と交付 :提出された書類をもとに審査が行われ、手帳が交付されます。
手続きに不安がある場合は、役場で相談してみてくださいね。
今回のブログでは、精神障害者保健福祉手帳についてご紹介しました。税金や割引サービスで支出を減らすことができ、障害者雇用という働き方の選択肢を増やすことにもつながります。「手帳を取得すると、障害者のレッテルを張られる」という不安を感じる方もいらっしゃいますが、障害者手帳は携帯の義務はなく、職場側に開示する義務もありません。また、取得することによるデメリットもございません。
一方で、支出の軽減だけではまだ不安が残るという方もいらっしゃると思います。そこで次回では、実際に収入となる障害者年金についてお伝えします。