わたしのViews体験⽇記支援プログラム体験レビュー
Viewsに通っている人は、いったいどんな毎日を送っているのか?
一人の利用者さんの日記を通して、日々の取り組みや思いに触れてみてください
Viewsのライフサポートには「自分を知る」「心身を整える」など複数のテーマがあり、テーマごとにプログラムの内容も多岐にわたります。実際に体験した人は、どんなことを学んだり、感じたりしているのでしょうか。一人の利用者さんにお願いして、プログラムごとの体験日記を書いていただくことにしました。
■体験者
T・Sさん
(20代・女性)
大学卒業後に就職するも、人間関係のトラブルで退職。うつ病と診断され、自宅に籠もっていたが、インターネットを通じてViewsのことを知る。最初の見学で利用者とスタッフの優しさに好感を抱き、意を決して通所を開始した。「新しいところに入っていくのは緊張しますが、余計な詮索をされないし、思ったよりも明るい雰囲気なので、なんとか通えそうです」と話してくれた。
Vol.5
CBGT(集団認知行動療法)
体験レビュー
「反すうをコントロールするための
行動実験をしてみようと思います」
反すうを克服するためのグループワーク
今日受けるのは、CBGT(集団認知行動療法)というプログラムの6回目。わたしは今回が初めての参加なのですが、これまでに自分の考え方の傾向を知ったり、ストレスを減らす考え方を試したり、思い込みをゆるめるためのワークなどを行ってきているそうです。
6回目の今日は、「反すうを克服する」がテーマ。わたしは心の状態がよくないとき、いろんな心配事を何度も繰り返し考えて、マイナスの思考に陥ることがよくあるので、このワークにはなるべく参加しようと思っていました。
今回は4人一組でグループワークをします。最近はどのプログラムに参加しても、顔見知りの利用者さんがいるので、前ほど緊張せずリラックスできます。
まずはウォーミングアップ。4人でクジを引き、引いた番号の質問に答えていきます。どんな質問にあたるかドキドキするけれど、答えづらい質問はパスしてもいいというルールがあるので安心です。たわいもないおしゃべりをして、気持ちが少しほぐれました。
反すうの習慣に気づくことからスタート
続いてスタッフさんから、今日のワークについて説明がありました。反すうとは、心配や不安、後悔など、ネガティブな感情を伴う内容について考え続けてしまうこと。うつ状態を悪化させるので、そういった自分の反すうを振り返り、コントロールする方法を考えるのが大事ということでした。
反すうが心によくないということはわかっていましたが、コントロールするという発想はありませんでした。でも、反すうって気づかないうちに起こってしまうので、コントロールなんてできるのかな…。まだ不安は拭えません。
説明の後、さっそくワークシートに取り組みます。自分はどんなことを反すうしているか、反すうの間はどんな感情なのかを書き出します。また、反すうのメリットとデメリットについても考えていきます。
記入している間は、反すうをしているときの悶々とした感情がわきあがってきて、少しモヤモヤしました。皆さんも黙々と自分に向き合っているみたいで、共有ルームの雰囲気がいつもより重く感じました。
共有することで気づくことがたくさんありました
記入が終わったら、共有の時間。グループのメンバーでシートに記入した内容を発表していきます。反すうの内容を思い出してしまい、ナーバスになっていたのですが、通所歴の長い利用者さんが、「わたしから共有しますね」と雰囲気を和らげてくれます。おかげで、わたしも少しだけ気を楽にして話すことができました。
皆さんの発表を聞いていたら、シートには書かなかったけれど、「その反すう、わたしにもある」と感じるものがいくつかありました。
たとえば過去に自分が経験した、とても恥ずかしかった出来事。自分の中で忘れたい過去だったので、その感情にはふたをして、意識することを避けていたのかもしれません。でも本当は、ずっと心にひっかかっていて、自分でも気付かないうちに何度も思い出して反すうしていたのだと思います。
また、同じグループの利用者さんが「反すうが発展的な対処法や解決策につながることは、まずないよね」と話していて、その通りだなって思いました。
反省はしたほうがいいけれど、反すうは同じことを繰り返すだけで意味がないってことだと思います。思い込みで物事を考えたり、起こってもいないことを心配しても、ネガティブな感情がわきあがるだけ。その感情に引っ張られて行動ができなくなったり、体調を崩してしまうのなら、メリットは何もないなと、腑に落ちました。
反すうの対処法を考えるワーク
共有の後、10分間の休憩がありました。気持ちが張りつめていたので、休憩になってほっとしました。グループの皆さんもそうだったみたい。重々しい雰囲気がゆるまって、ワークで気づいたことや感想などを、思い思いに話して過ごしました。
休憩が終わると、次は反すうをコントロールするためのワークです。
スタッフさんが反すうかどうかを判断する基準について話してくれました。「問題解決の方向に進んだか?」「問題を理解できるようになったか?」「自分を責める気持ちや抑うつ気分が減少したか?」、この3つの質問に「はい」と答えられなければ、反すうの危険があるとのこと。基準があるとわかりやすくて、納得感がありました。
そして、自分はどんな状況のときに反すうに入り込みやすいのかを振り返ります。わたしの場合は、単純作業をしているときや散歩中といった、あまり頭を使わないとき。それに寝る前や入浴中など、ぼーっとしているときに起こりやすいことに気づきました。
次は、反すうをコントロールするために、どんなことができそうかを考えます。自分なりに考えたのは、友だちに相談するとか、頭を使う行動をして意識をそちらに向けるとか。今度、実際に試してみようと思います。
自分なりの対処法を、これから見つけていきたい
そしてもう一度、共有の時間。皆さんの発表を聞いていると、反すうをしてしまう状況はけっこう似ているみたいです。でも、コントロールの方法は人それぞれ。自分では思いつかないような方法を発表してくれる人が多くて、とても参考になりました。
合う、合わないはあると思いますが、わたしも皆さんのやり方を取り入れてみたいと思います。
別のグループでは、「セルフハグをする」という意見もあったみたいで、スタッフさんが全体に共有してくれました。自分で自分を抱きしめ、優しい言葉をかけたり、体を撫でたりすることで、自分に愛情をかけてあげることだそうです。たしかに、自分で自分をハグしてあげることで気持ちが落ち着くというのは、とてもよくわかる気がします。
全員の発表が終わったら、いつものように本日の振り返り用紙が配られました。
今日のワークでは、皆さんと共有の時間をもつことで、自分が無意識に抱えていた反すうに気づいて、向き合うことができました。
反すうをコントロールするのはむずかしそうですが、まずは反すうが起こったときに、それに気づくところから始めていきたいです。そして皆さんが発表してくれた方法をいろいろ試してみて、自分に合うものを見つけられたらいいなと思います。
今日も気づきの多い一日でした。参加してみて、とてもよかったと思います。
体験して感じたコト
- 反すうに気づく
- 潜在的な反すうに向き合う
- 反省しても否定はしない
- 反すうの対処法を試す
- 人の意見を取り入れる