ビューズでは、年に1回、管理栄養士の方を講師としてお招きし、クッキングプログラムを開催しています。過去には、栄養価の高い麹作りをしたり、100均で買えるスパイスを使って本格スパイスカレーを作る方法などを教えていただきました。過去の参加者の中には、「教わったスパイスカレーを家族に振る舞ったら喜んでもらえたので、嬉しかった」という方もおりました。
今年は管理栄養士の方に加え、ビューズ卒業生で台湾料理のお弁当販売をしている方にも講師として参加いただきました。
管理栄養士の方のブログとYoutubeチャンネルはこちら
- ブログ:https://ameblo.jp/vitamin44/
- Youtube:こころカラダづくりCh. 胃とストレスケア専門
今回のブログでは、そもそもなぜクッキングPGを開催しているのかを解説した上で、12/2のクッキングPGの様子をご紹介いたします。
なぜ、クッキングプログラムを開催しているのでしょうか?
大きく分けて2つの理由があります。
①栄養が体と心に影響する
「うつ」とは、気分がずっと沈んでいたり、元気が出なくなったりする状態のことです。うつになる原因はいくつかありますが、その1つが「食事」です。体や脳が動くためには、多くの栄養が必要です。たとえば、ニラやねぎなどに含まれている葉酸という栄養が足りないと、うつ症状がみられやすくなり、免疫機能が下がって感染症にかかりやすくリスクも高まります。
栄養をバランスよく摂ることで、心と体の調子を整えることができます。今回のクッキングプログラムでは、ニラを使った栄養満点の調味料作りを行いました。
②楽しみながら集団での役割を担う練習
うつ症状の中に、食欲低下と億劫感があります。そして、億劫感を乗り越える際に一番大変なのは最初の一歩を踏み出すことです。栄養がどんなに重要だと頭で理解していても、食欲もなく料理をする気力もない状態では行動に移しようがありません。ましてや、億劫感がある中で自分から機会を作るというのは相当なハードルです。
そこで、ビューズではプログラムとして実施することにしました。最初の機会をビューズで提供することで、自分で機会を作るハードルを外しました。また、うつの症状で家庭内での役割を担えず悩まれている方も多いため、集団で料理をし役割を担うことで、「貢献できた」という体験になるよう工夫しています。加えて、食欲がない中でも気軽に栄養が取れるような食材や方法をお伝えし、自宅でも再現しやすいよう管理栄養士の方と打ち合わせをしています。
当日の様子
今年は、管理栄養士の方にはニラ麹作りを、ビューズ卒業生の方には台湾の家庭料理「ルーローファン」作りを依頼しました。参加者を2グループに分け、体験してみたい方を担っていただきました。
レシピは以下の通りです。
「麹」は、発酵した穀物や大豆を基にした微生物の仲間で、醤油、味醂、味噌、酒などの食品や調味料作りに利用されています。実は、これらの食品は、麹を使って発酵させることで生まれています。麹の発酵には、材料の栄養価をアップさせる働きがあります。例えば、大豆を発酵させて作られる味噌や納豆は、アミノ酸や酵素、ビタミンBなどが増え、栄養価が向上します。これらの栄養成分は、気分の安定やリラックスに関連する神経伝達物質であるセロトニンを増やす効果があります。また、発酵食品は腸内細菌に良い影響を与え、 腸内細菌と脳は相互に影響し合っています。この相互作用は「腸脳相関」として知られており、良好な腸内細菌は心の健康に良い影響を与えると考えられています。麹などの発酵食品はそのバランスをサポートし、体と心を元気してくれます。
今回は、麹とニラを組み合わせた「ニラ麹」作り体験をしました。作り方は簡単で、ニラを切って麹と混ぜ、醤油を入れたら完成です。どのような味かを体験できるよう完成品を持ってきていただき、アレンジレシピ2品を作る体験をしました。
ルーローファンづくりでは、レシピやスパイス、圧力鍋などを講師の方に準備してもらい、どのような工程を踏めば作れるのかを純粋に体験できる機会としました。
ルーローファンをご存じでしょうか?豚肉をスパイスと調味料で煮込み、ご飯に乗せていただく台湾の伝統的な家庭料理です。台湾の屋台で気軽に食べることができるほか、日本の台湾料理店でも注文できます。多くの方にとって、ルーローファンは「外で食べるもの」という認識だと思います。しかし、実はスパイスさえ用意すれば自宅でも気軽に作ることができるのです。講師の方に詳細な工程を乗せたレシピを準備いただき、肉に下処理から煮込み方まで体験することができました。味は大変好評で、ルーローファンについては「苦手意識があったけど、食べてみたらおいしくて認識が変わった」という感想があがりました。
こうして、ルーローファンとニラ麹のアレンジレシピが完成しました。
写真で見るとボリュームがありますね。仕込みから時間をかけた分、皆さんでおいしくいただくことができました。
まとめ
いかがだったでしょうか?うつの症状である億劫感や食欲低下がある中でもできるような機会として、そして栄養のあるスパイスや麹を日頃の食事に取り入れる機会となれば幸いです。食事を美味しく食べる、ということは日常を彩ってくれますね。
レシピを参考に、是非自宅でも試してみてくださいね。参加者の一人として、スタッフも自宅で作ることを楽しみにしています。