
夜になると急に食欲が湧き、無意識のうちに食べ過ぎてしまうことはありませんか?特に、うつ病を抱えている人の中には、日中の食欲が低下しているのに夜になると過食してしまうという悩みを持つ人が少なくありません。この習慣が続くと、体調や精神面に悪影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、うつ病による夜間の過食の原因を詳しく解説し、今日から実践できる具体的な対策を紹介します。正しい知識を身につけ、過食を防ぐためのヒントを得ていただければと思います。
夜間の過食とストレスの関係
うつ病による食欲の乱れ
うつ病では「食欲低下」と「食欲増加」の両方が見られます。中には、日中は食事が喉を通らないのに、夜になると食欲が急激に増すケースもあります。
この現象には、ストレスホルモンであるコルチゾールが深く関わっています。ストレスが続くとコルチゾールが分泌され、これが食欲を刺激し、特に夜間に過食を引き起こしやすくなります。
夜になると食欲が増す理由
夜間の食欲増加には、以下のような要因が関係しています。
- 日中のエネルギー消費が少ない → 夕方から夜にかけて空腹感が増す。
- 夜は不安や孤独感が強くなる → 食べることで気持ちを紛らわせようとする。
- 睡眠不足 → ホルモンバランスが崩れ、食欲が増す。
精神的な満足感を求める
特に甘いものや炭水化物を無意識に求めることが多いのは、糖分が一時的に脳内の幸福物質であるセロトニンを増やし、気分を落ち着かせる効果があるためです。しかし、その効果は短時間しか持続しないため、食べた後に後悔や自己嫌悪を感じることもあります。
夜間の過食がもたらす影響
夜間の過食は、単なる習慣として終わらず、以下のような影響を及ぼします。
影響 | 詳細 |
体重増加・肥満 | 夜間のカロリー摂取が増えることで、体重が増加しやすくなる。 |
睡眠の質の低下 | 胃に食べ物が残った状態で寝ると、消化活動が続き、熟睡できない。 |
翌日のエネルギーレベルの低下 | 夜に食べすぎると、朝に食欲がなくなり、日中の活力が低下する。 |
夜間の過食を防ぐための対策
1. ストレス管理とリラクゼーション
ストレスが過度に蓄積すると、食欲をコントロールするホルモンバランスが崩れ、無意識のうちに過食につながることがあります。ストレスを食事以外の方法で解消できるようになると、食べ物に頼らずに精神的な安定を得ることが可能になります。
具体的な方法:
- ストレス発散の習慣を作る(例:ウォーキング、瞑想、読書)
- リラックスできる環境を整える(例:アロマ、ヒーリング音楽)
- 寝る前のリラックスルーティンを確立する(例:ストレッチ、深呼吸)
2. 日中の食生活の改善
日中にバランスの取れた食事を摂ることで、夜間の過食を防ぐことができます。特に、たんぱく質や食物繊維を多く含む食品を摂ると、満腹感が持続しやすくなります。
具体的な方法:
- 朝・昼・夕の食事バランスを意識する
- たんぱく質や食物繊維を多く含む食品を選ぶ(例:豆類、ナッツ、野菜)
- カフェインやアルコールの摂取を控える(食欲の乱れを防ぐ)
3. 睡眠の質を向上させる
睡眠不足が夜間の過食を助長するため、睡眠の質を向上させることが重要です。睡眠が不足すると、食欲をコントロールするホルモン(レプチンとグレリン)のバランスが崩れ、空腹感が増大します。
具体的な方法:
- 就寝・起床時間を固定する
つい休日は夜更かしをしたり朝寝坊してしまいがちですが、なるべく毎日同じ時間に就寝・起床をするようにすると、1日のリズムが整いやすくなります。仮に休日に長く寝てしまう場合には、平日の睡眠が足りていない証拠かもしれません。睡眠時間を確保できるような時間の使い方を見直してみましょう。
- 寝る前にスマホやブルーライトを避ける
寝る前・寝床の中は、ついスマホを使いたくなりますが、睡眠の質を低下させる原因になります。よく言われているのはブルーライトが目に入ることの悪影響ですが、それに加えてスマホの画面は情報量が多く脳が覚醒するきっかけになってしまうこともあります。1つの目安として、寝床に入る30分前にはスマホを見るのをやめられると望ましいです。
- 軽いストレッチや深呼吸を習慣化する
寝る前にストレスが残っていると、睡眠の質の低下や過食を招きかねません。寝る前に軽いストレッチや深呼吸をするなどしてリラックスする方法を習慣化することができると望ましいです。
上記以外でも、厚生労働省が睡眠の質を上げるための指針を成人、子供、高齢者のそれぞれに向けてまとめた資料があります。下記URLからご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001222161.pdf
4. 「どうしても食べたくなった時」の対処法
どうしても夜に何かを食べたくなった場合、以下の方法で対処できます。
具体的な方法:
- 低カロリーの食品を用意する(例:ナッツ、ヨーグルト、温かいお茶)
- まず水を飲んで、本当に空腹かどうか確認する
- 10分間他のことをして気を紛らわせる(例:読書、散歩)
まとめ
夜間の過食は、ストレスやホルモンの影響が大きく関与しています。しかし、適切なストレス管理と生活習慣の見直しによって、過食を抑えることは十分に可能です。
夜間の過食は習慣になりやすいですが、対策を講じることでコントロールすることができると意識することが大切です。少しずつ行動を変え、健康的な生活を取り戻しましょう。
今回のテーマと逆で、うつの症状で食べられない時の対処法についてまとめたブログを書いておりますので、よろしければご参照ください。