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周囲/当事者の方へ

2025/01/20

ビューズって、どれくらい通う場所なのですか?

「ビューズにどれくらい通えは社会復帰できるの?」

ビューズに見学に来られた方からは、必ずと言っていいほど上記の質問をされます。

見学に来る状態になった方は、一番症状が辛い急性期から抜けて回復期に移っており、社会復帰に向けての選択をするフェーズになっています。少しでも早く復職・再就職といった社会復帰しなければという焦りがある反面、今の状態で社会に戻って大丈夫か?という不安との間で葛藤している方が多いと思います。しかし、身近に同じような悩みを抱える方がおらず、実際にどうする良いのかを判断する材料が不足しているので、なかなか葛藤を解消するのも難しいと思います。

ここで、不安を抱えながらもビューズに通所されていたケースを3例紹介します。

・40代女性:家族と職場の両方に不安を抱えている中、10か月通所した後に復職。
・30代女性:家族との問題を時間をかけて解決し、2年間通所し復職。
・20代男性:経済的な不安がある中、1年3か月通所してから再就職。

上記の通所期間を、どのように感じるでしょうか?実は3名とも焦りが強く、当初はもっと短い通所期間での卒業を考えていましたが、結果的には上記の通所期間を経て復職し、今も就労を維持しています。

なぜ焦りを乗り越え、自分にとって必要な通所期間を確保できたでしょうか?

今回は、焦りを強めてしまう認識を専門家の視点から解説し、必要な通所期間について考えていきたいと思います。

焦りを強める認識①:症状が回復すればすぐに社会復帰できる

回復期に入って症状が回復してきたにも関わらず、社会復帰への不安が残る理由は「またストレスを抱えて症状が悪化しないか?」という思いがよぎるためです。ただ、ストレスを抱える理由は人によって異なり、どうすればいいか?と問われると難しいものです。

ビューズでは、再発を防いで社会復帰へのプロセスをサポートするため、1人1人の支援計画を担当支援員と3か月単位で組んでいきます。最終ゴールは人それぞれですが、段階を経て社会復帰に近づきます。

段階は、①気づく、②理解する、③行動実験を通して対処法を見つける、という流れです。

気づく:スタッフとの話し合いや日頃の記録を通して、自分が発症時や今の日常の中で何にストレスを感じて心身にダメージを与えているかに気づいていきます。

理解する:なぜストレスを抱えてしまったのかを振り返り、自分の課題を理解します。ここでの課題とは、自分自身の生きづらさの要因(考え方の偏り)や持って生まれた能力的な苦手さを指します。気分障害を発症した多くの方が環境で苦労されていますが、自分でコントロールすることは難しいものです。特に同じ環境に戻る復職のケースでは、変えられない環境よりも自分の課題に目を向けます。

行動実験を通して対処法を見つける:自分自身の課題を見つめられれば、具体的に何をすればいいのかが見えてきます。環境要因と自分の要因は掛け算であり、実は環境要因が大きかったとしても、自分の課題を解消すれば心身への影響を受けにくくできるのです。自分の課題を対して、ビューズ内外で練習することを行動実験といいます。そして、行動実験を繰り返す中で、自分にとって役立つ工夫を見つけることができれば、対処法になります。

焦りを強める認識②:経済的な不安があるから、すぐに社会復帰した方が良い

発症し仕事から離れることになった以上、復帰までのリハビリの時間も、前項で紹介した課題への対処法を考える時間も必要になります。一方で、休職・退職といった状況になれば、お金の問題が頭をよぎります。元々、職場から離れる=社会から離れている状況で焦っているのに、経済的な不安が加われば居ても立っても居られず、早く社会復帰を目指そうとするのは自然なことです。焦らない方がいいと分かりつつも、準備に時間をかけられない理由の多くは、実は経済的な理由なのです。

しかし、実は経済的な支援を受けられる制度が複数あります。特にメンタル疾患の場合、治療に時間がかかることが多く、生活費だけでなく医療費も膨らみがちなので、対象となる制度は十分に活用したいところです。

インターネットを使えば気軽に情報を集められる時代ではありますが、何が正しい情報なのかも分からない中、内容を読み解いて正確に理解するのは、症状を抱える方にとって体力的・気力的に大変です。そこで、まずはビューズに通う方も積極的に利用されているスタンダードな福祉の支援制度をお伝えします。詳しくは別途ブログでも紹介していきますので、正しい知識をおさえ、社会復帰までの準備期間を確保できる人が増えれば幸いです。

傷病手当:病気やケガに会社を休み、雇い主から給与が保証されない時に申請できる制度です。月給の約2/3の金額が最大1年半支給されます。

失業手当:離職後、働いた期間や働いていた時の給与に応じて一定期間お金が支給されます。メンタル疾患であることを申請すれば、最大300日受け取ることができます。

自立支援医療:精神科の診察費、薬代の負担が軽減されます。(通常3割から1割になることが多いですが、自治体によっては0割になることもあります)

精神障害者保健障害者手帳:精神科初診日から半年経過した人が対象で、医療費、税金、交通費などの日頃の支出を一部軽減してくれます。

障害年金:精神科初診日から1年半経過した人が対象(=傷病手当金が終わるまで、というイメージ)で、症状の程度に応じて1~3級に分類され、等級が高いほど多い額が支給されます。

上記の内、精神障害者保健福祉手帳と障害年金については、申請したからと言って必ずしも申請が通るとは限りません。主治医や社労士など、必要に応じて専門家に相談していくのが良いと思います。

関連したブログを作成しておりますので、よろしければ下記をご参照ください。

https://x.gd/7Sr0N

焦りを強める認識③:福祉サービスを使ったりビューズのような通所施設に通うと、復職・再就職に不利になる。

主治医や会社、家族から福祉サービスの利用を勧められたとき、「本当に大丈夫か?」と思うことはないでしょうか?
特に、復職・再就職など仕事に向かう際にデメリットがあるのでは?というイメージ(例:通所期間の分だけ職歴にブランクができ、復職先・再就職先の企業に悪いイメージを持たれる)が浮かぶのではないかと思います。

実際、デメリットはないのでしょうか?

ブランクを例に考えてみましょう。

職歴にブランクがあった場合、「その間に何をしていたのか?」というのがポイントになります。
ビューズに通った場合、ストレスの振り返りを行って自己理解を深め、社会復帰後に体調を悪化させないため対処法を見つけることを目指します。また、自分の症状や課題をどのように伝えていくかのサポートも行います。
復職先・再就職先の企業が心配するのは「長く活躍してくれるか?」です。ブランクの期間に自分と向き合い、体調を悪化させないための対処法まで分かっている状態であれば、企業側も安心して迎え入れられるでしょう。

この場合、ブランクがあることはデメリットにならないのです。

必要な通所期間は?

改めて、必要な通所期間をどのように考えていけばよいかですが、答えは「体調の悪化を防ぐ対処法を確立できるまで」です。

うつ病の場合、再発率は50~60%とも言われています。この中には、症状が軽くなったから精神科の通院を辞めるなど、治療を中途半端に終えてしまった人も含まれます。メンタル疾患は脳にダメージが残っているので、仮にストレスから離れて元気になっても、些細なきっかけで落ち込みやすくなっています。さらに、2回うつ病にかかった人では70%、3回かかった人では90%と再発率は高くなります。

症状を一度でも体験した方であれば、二度と発症の苦しみを味わいたくはないと考えているのではないでしょうか?

だからこそ、自己理解を深め、再発予防の準備をすることが大切です。そのために、経済的な支援を受ける制度も整っています。少しでも多くの方が、安心して社会復帰の準備に取り組んでいただけたらと存じます。

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いかがでしたでしょうか?

早く働いて安心したい・今後の自分の進む道を定めて動いていきたいという考え方自体は前向きな発想なので、悪く考える必要はありません。しかし、焦りから十分なリハビリや対処法を考える準備ができていない状態で社会復帰に進むことも、再発のリスクが残ります。
今回の情報を知り、自分にも当てはまるものがあると感じた方は、是非専門家にご相談ください。ビューズでも、利用の前に感じる不安や制度についても相談に応じています。

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