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メンバーさん主催 女子座談会
同じ悩みを抱える女性同士、安心して話ができる場があります。
ビューズではメンバーさんから開催の声が挙がり、主体的に行われている活動があります。今回は女性ならではの悩みについて自由に話ができる「女子座談会」についてご紹介します。
女子座談会では、気分の不安定さや、身体の痛み、怠さに女性ホルモンが影響するPMS、月経痛などの悩みを共有しています。実際に行っている対処と活用している資源情報を自由に話し合い、情報交換をして考え方の幅を広げる機会になっています。メンバーさん同士での「聞いてみる・話してみる体験」を通じて、色々な考え方を知ることが出来ます。
考え方の幅が広がると、今後どうしていきたいかを前向きに考えられるようになります。しかし、悩みを話すことに抵抗を覚える方も多いと思います。そこで、話すことで得られるメリットについて考えてみます。
正解が無い問題であっても話してみませんか
うつ病・気分障害は回復期であっても気分の変調があります。自立神経系やホルモンバランスと関係が深いと言われており、人によっては強く影響を受けることもありますが、自分のリズムが把握ができており自分にピッタリの対処法が実行できると不調の影響を和らげることができます。
一方で、リズムは人それぞれですので対処もまた、合う/合わないがあります。まずは不調の影響を弱めるため、どのような方法があるのかを広く知り、チャレンジできそうな方法を試すことが大切です。自分の症状を共有すると、自分では思いつかないような観点からアドバイスが貰えることもあります。このような機会は問題を開示する体験無しには得られません。
同じ悩みを抱える女性同士であっても普段は相手に遠慮したり、周囲が気になって自分の状態を言葉にしたいのにできないというケースは多いようです。誰にも話せない・話しても仕方がないと気持ちを1人で抱え込んでしまうと、不安感や孤独感が高まってしまい、辛い状況から抜け出せなくなってしまいます。
PMSや月経痛に対して明確にこうしたら良い、というような一般共通項の正解はありません。しかし、話すことで得られるメリットは大きいかもしれません。
では、実際の参加者が何を相談し、どう感じたかを参考に考えてみましょう。
お悩みはそれぞれ違っても、共通するニーズが共感を生みます
座談会は月に1回 30分~60分枠で開催され、当日集まった女性メンバーで話題を決めます。恥ずかしさ等の誰もが感じる悩みに加え、うつ病、気分障害を抱える方ならではの悩みが挙がりやすいのが特徴です。疑問や不安の内容に沿って話せる範囲で各々体験を紹介しつつ皆で考えます。自分では既に答えが出ているつもりでも、話してみると意外と変化が生まれます。また、自分だけだと思っていても似たお悩みを持つ人が見つかることもあります。よくトピックに挙がる事例をご紹介します。
①ピルの併用 ※服薬によっては低用量ピルの併用が可能な場合があります。
・メンタルクリニックでピルを勧められて「ピルって何?」「どんな種類があるの?」と戸惑いましたが診察では詳しく訊くことができず、今飲んでいる薬もあるのでこれ以上増やすのは不安だと思いました。ピルを飲んでいる人がいればどのような変化が起こるのか教えてほしいです。
②医療機関
・イライラが治まらず、物に当たってしまう程ですが何らかの対処や治療が必要な症状なのか、自分が我慢するべきなのかがわかりません。以前婦人科に相談しましたが、先生が男性だったためかPMSの症状には理解が得られず、通院自体を迷っています。
・既に婦人科へ通院していますが、引っ越しをするため通いやすいクリニックに転院したいです。ネットには口コミなどの情報が少なく良いクリニックがあれば教えてほしいです。
③症状の詳細
・双極性障害のためうつ期とPMSが重なるとベッドから起き上がれない程、不調になります。今は双極性障害の気分差が大きいためPMSと判別が難しく、事後に気付くことが多いです。同じように疾病の症状と区別が難しい人はいるのか知りたいです。
・月経痛が酷く、出血が人よりも多いように感じています。貧血になる事もあるので定期的に座ったり横になるよう工夫していますが、どこまでが正常の範囲内なのか自己判断が難しく、周囲に助けを求め難いです。
④身近な人へのサポート方法、ヘルプの出し方/伝え方
・友人が毎月辛そうで、どう声をかけてあげたら良いか迷ってしまいます。自分はあまり月のリズムで困っていないため、気が利かないかもと思ってしまい、声をかけることができない時もあります。
・PMSのイライラや不安感を上手く説明できず、パートナーに助けを求めたいのに感情をぶつけて困らせてしまいます。普段より休む時間を多く作りたいのですが、相手に遠慮してしまうので伝え方を練習したいです。
共感できる事例はありましたか? これから参加する方々へメッセージ
共感を得ることができれば自分の感じ方に自信を持ち、悩みの解決に向けて次の行動を開始できそうですね。一方、事例からは共感ができなかったという方もおられるかもしれません。しかし、私たちは異なる感じ方こそ、多様性を取り入れ、より柔軟に考えるチャンスだと考えています。現在は女性中心に開かれている会ですが、例えばパートナーを理解したい男性や、そもそも性別の枠に捕らわれないなど、座談会の否定されないという環境を活かして価値観を共有してみませんか。
最後に今までに参加した方の声を一部紹介します。
Aさん : 中学生の時から生理痛に苦しんできました。うつ病になって体力が落ちたのか生理の日は痛みで起き上がることもしんどくなりましたが、家族に話すのは恥ずかしくて痛み止めを飲んで耐えていました。座談会でも当初は聞くのみでしたが、気軽な雰囲気から症状開示のハードルが下がり初めて相談できました。自分は普通より症状が重いんだと知ることもでき、話せてよかったです。婦人科を受診するきっかけになり、今は家族や資源先にも伝えて活動を調整できています。
Bさん :社員の体調管理やマネジメントをする立場なのですが、自分は生理痛やPMSで困る事は少なかったので、女子社員の気持ちを理解できていないのではと悩んでいました。そこで復職後役立てられると考え座談会の主催に携わることにしました。話を聴いていくうち、実は自分にも共通する感覚があったり、悩み自体は違っても似た気持ちになる経験があったと気付きました。「共感して貰えて嬉しかった。仕事をする上でもBさんのように知ろうとしてくれている人がいると分かり、自分の職場でも不調を伝えてみようと思えた。」と言って貰うこともでき、自信になりました。
このように、女子座談会は無理や我慢を重ねない社会復帰を応援する機会となっています。
私たちスタッフも、メンバーさんの主体的な座談会の在り方を大切にしております。