ビューズ@名駅では就労定着支援のサービスを行っており、生活訓練を利用中~利用後に6カ月の就労実績がある方は各市町村の判断に基づき、最大3年間サービスを受けることができます。定着支援のサービス内容は、月1回のグループワークと支援員による個別面談です。定着支援をどのように活用していけばいいのか、今回は先輩利用者様の声をご紹介します。
定着支援を3年間利用された Kさん 双極性障害Ⅱ型(40代男性)
・どのような内容を相談していましたか?
→グループワーク : 生活訓練利用中に自己理解を深めていたので、主に職場での出来事に対するマイナスの認知や感情について、共有しアドバイスを貰っていました。
個別支援 : メンバーさんとの関わり方や退職後のセカンドキャリアについての相談をしていました。
・再発防止に役立ったビューズでの経験・知識はありますか?
→ニュートラルな状態を保つため、毎日のセルフモニタリングや定期的な振り返りを今も継続しています。身体からのアプローチも取り入れ、マインドフルな状態を意識しています。自分らしさを大切にしたいので、ポジティブに捉えるため認知が歪んでいる場合は捉え直しを行っています。
・苦労したことはありますか?また、実際に取り組んだことを紹介していただけますか?
→たまに、取り組みが急に面倒くさくなる日がありますが、そういう日は早く寝て次の日に持ち越します。私は「明日死ぬかもしれないから今日やるべき」という考えと共に、「今日やらなくても明日困らない」という考えも同時に持って価値観の多様性を意識しています。ただしチャンスがきたと感じたら逃がさず、先送りしないよう心がけています。また、フィジカル面の健康を落とさないようにしていて、しんどい時は絶対無理しません。頭の中で不安や心配が膨らむと消耗してしまいますので、その場で対峙できないものとは戦わず、ないのと同じ意識を持つようにしています。加えて感情を溜め込むとしんどくなるので、上司部下関係なく、愚痴をこぼすようにしています。
就労定着支援は3年間あるため定期的に利用を続けられるのは心身の健康状態が安定していると言えます。仕事が忙しいと、つい自分の課題への取り組みを後回しにしてしまいがちです。取り組み継続にはどのようなコツがあるのでしょう。実際にお聞きしてみました。
・定着支援を利用し続けたのはなぜですか?
→仕事が継続できているから、グループワークは毎月の継続行事として考えていて、特に力まず面倒とも考えず淡々と参加していました。初詣に行くとか、鯉のぼりを上げるとか、そんな捉え方です。あとは、再発したく(させたく)は当然なかったので、利用できるものは使おうと思ったからです。やらずに後悔するのが一番嫌なので、行動することを選びました。
定着支援でも生活訓練時と同様、支援員との相談はもちろん可能ですが、一カ月に1回の個別面談だけでは生活訓練利用時と比べると大幅に話し合う時間が短くなります。そのため、自分で問題に気づき、改善していく力が重要になります。
・これから定着支援を利用する人へのメッセージ
→私の経験上、最初にメンタル疾患にかかる時もしんどいですが、再発してしまった時はもっとしんどいと思います。なので再発する前のサインを見逃さないようにして欲しいです。健康体でできていることはだんだん当然になり、いつしか気づかなくってしまうと危険です。しっかりセルフモニタリングをして、特に何もなかった日などはそれが普通だとスルーせず、些細な事一つでもいいので気付きを見つけるようにしてください。あくまで個人的な感想となりますが、私は生活訓練の利用を合わせると4年と6カ月利用し、ビューズを選んでよかったと思います。定着支援を卒業し、利用者として関わることは無くなりましたが、メンバー同士の繋がりは変わらないのでこれからもネットワークを繋げていこうと思います。
いかがでしたでしょうか。
定着支援は主体的に活用することで、再発防止という効果が最大限に得られます。3年間という長い期間のうちには、転職・異動などのライフイベントや、体調の波に左右される事もあるかもしれません。早めに不調のサインに気付き対処しつつ、グループワークや個別面談で対処法の有効性を確認&フィードバックやアドバイスを求められると、自分自身の力で就労が継続できたという事実が積み上げられるので積極的かつ継続的な利用をお勧めします。
再発を予防して就労を継続できたという経験は大きな自信に繋りますので、定着支援の卒業時にはより充実したキャリアが描けるようになりそうですね。
今後も色々な方の感想や事例をご紹介していきます。