うつ病等の気分障害は、心と体に症状が現れます。日常生活・社会生活に支障が生じ、職場を休職する理由になることもあります。休職中は多くの不安が付きまといますが、ビューズ@名駅では復職支援に力を入れておりますので、悩みを相談するなど復職までのサポートを受けることができます。
しかし、復職はあくまでも選択肢の1つであり、「復職か退職か」を悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。気分障害を発症する理由は様々ですが、もし職場でのストレスが原因の1つであると考えている場合、同じ環境に戻ることへの恐怖や不安を感じるかもしれません。しかし、生活費などの経済的な問題や、転職活動への不安から、復職以外の選択肢が思い浮かばず精神的に追い詰められてしまうこともあります。
今回は、「復職か退職か」というその後の人生に関わる大きな意思決定を、ビューズ@名駅でどのようにサポートしているか、事例を元に紹介します。
事例①:新卒で入職した職場を退職し、再就職を決意
まずは、新卒で就労した職場で休職に至った事例を紹介します。最初の職場で数年以内に発症し休職すると、「社会人として自分はやっていけなかった」と自信を失ってしまいます。その結果、復職は怖いが、再就職して他の環境でやっていける自信も持てず、意思決定できなくなってしまいます。
自信を取り戻し、自分らしい働き方を再度考えていけるかが決断を進めるポイントになります。
事例:20代女性。新卒で就労した職場で2年目を迎え、任せされる仕事の幅が増える中で業務内容の難しさに直面した。相談相手である上司と関係性が悪化し信頼関係が失われ、抑うつ症状が出現して休職した。
ビューズの支援:職場で直面した難しさを振り返ると、仕事に対する理想と現実のギャップに悩んでいたほか、上司・顧客の評価を気にして委縮してしまい、結果として受け身であると指摘され、折り合いが悪くなる悪循環に陥っていた。背景には、幼少期の経験から葛藤があり、自分から助けを求めることに強い苦手意識を持っていた。ビューズで対人関係の価値観を掘り下げるワークやコミュニケーションのトレーニングを行いつつ、家族の悩みについては外部の心理カウンセリングを利用した。症状の回復が進む中で、自分の望む働き方についてプログラムや面談を通して理解を深め、ワーク(仕事)よりもライフ(健康、結婚、出産など)を重視した働き方をしたいと気づいた。その後、外部ボランティアを開始した。負荷をかけても体調維持ができるかを試しつつ、ボランティアで人の役に立てている実感を得ることで徐々に自信を取り戻し、実績を認められアルバイト勤務のオファーを受けた。家族、職場、支援員と話し合い、健康を重視して短時間勤務が可能なアルバイトから始め、結婚や出産などのライフイベントを経てからもう一度正社員として働く、というプランで進めることに決めた。それまで休職していたが正式に退職し、アルバイト勤務を開始した。
いかがでしたでしょうか。
症状から回復してくれば、自分の置かれた環境や働く上での価値観を見つめ直す余裕が出てきます。発症という辛い体験をしたからこそ、健康とやりがいを両立できるような働き方を選択するため、自分を見つめ直す時間を得てほしいと願っております。
今後も様々なケースをご紹介していきます。