うつ病等の気分障害は、心と体に症状が現れます。日常生活・社会生活に支障が生じ、職場を休職する理由になることもあります。休職中は多くの不安が付きまといますが、ビューズ@名駅では復職支援に力を入れておりますので、悩みを相談するなど復職までのサポートを受けることができます。
しかし、復職はあくまでも選択肢の1つであり、「復職か退職か」を悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。気分障害を発症する理由は様々ですが、もし職場でのストレスが原因の1つであると考えている場合、同じ環境に戻ることへの恐怖や不安を感じるかもしれません。しかし、生活費などの経済的な問題や、転職活動への不安から、復職以外の選択肢が思い浮かばず精神的に追い詰められてしまうこともあります。
「復職か退職か」というその後の人生に関わる大きな意思決定を、ビューズ@名駅でどのようにサポートしているか、事例を元に紹介します。今回はシリーズ第2弾になります。
事例②:仕事と子育てを両立するため、復職を選択
復職の意思決定をした事例を紹介します。復職の意思決定に関わるものは、働き方、対人関係、職場のサポートなどの仕事面と、プライベートの家族環境がポイントなります。
概要:30代女性。双極性障害。仕事だけでなく、夫との関係性や子育てのストレスも抱えていた。長く働いてきた職場ではあるが、子育てをしながら正社員として働くことの苦しさも抱えていたため、退職も視野に入れていた。
ビューズの支援:夫婦関係の悩みについては、苦手な場面を支援員同席のもと、ロールプレイで体験できる訓練プログラムで練習した後、夫をビューズに呼び3者面談を行い、お互いの気持ちを話し合う機会を設けた。加えて、カウンセリング資源を紹介し、月1回程度ストレスを吐き出す機会を作った。夫婦関係の悩みへの支援と並行し、職場への定期面談を開始。当初は支援員が同席してビューズでの取り組みを報告していたが、徐々に1人でも自分の状態を報告できるようになった。復職前に、双極性障害の気分の波が生じる傾向と課題、対処法をまとめた発表をビューズで行い、職場の保健師と上司が参加。発表内容を踏まえ、職場で可能な範囲のサポート体制を構築。特に、報連相サポートしてホットラインのチャットを設けることで、復職への不安が減少した。家庭と仕事のストレスが完全になくなったわけではないが、本人へのサポート体制が整ったことで、慣れた仕事のできる今の職場に復職する意思決定ができた。
いかがでしたでしょうか。
今回の事例の場合、サポート体制を職場・プライベートの両方で確立できたからこそ、復職の選択に進むことが出来ました。しかし、もし整わなかった場合、転職に進むという可能性もあったと思います。支援においても、常にどちらの可能性も想定しながらサポート体制の確立に向けた取り組みを行ってきました。
今後も様々なケースをご紹介していきます。
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