うつ病等の気分障害は、心と体に症状が現れます。日常生活・社会生活に支障が生じ、職場を休職する理由になることもあります。休職中は多くの不安が付きまといますが、ビューズ@名駅では復職支援に力を入れておりますので、悩みを相談するなど復職までのサポートを受けることができます。支援の事例は過去にブログをまとめていますので、よろしければご参照ください。
しかし、復職はあくまでも選択肢の1つであり、「復職か退職か」を悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。気分障害を発症する理由は様々ですが、もし職場でのストレスが原因の1つであると考えている場合、同じ環境に戻ることへの恐怖や不安を感じるかもしれません。しかし、生活費などの経済的な問題や、転職活動への不安から、復職以外の選択肢が思い浮かばず精神的に追い詰められてしまうこともあります。
「復職か退職か」というその後の人生に関わる大きな意思決定を、ビューズ@名駅でどのようにサポートしているか、事例を元に紹介します。今回は、シリーズ第4弾となります。
事例④:辞められないと感じていた理由から離れ退職を決めた
今回は、第一回でも紹介した新卒で就労した職場で休職に至った別の事例を紹介します。社会人としての自分に自信が持てないと、意思決定ができなくなってしまいます。辞めたい理由と辞められない理由の板挟みになってしまうと、悲観的な考えや、やりたいことが見つからない焦りで前が見えなくなります。不安や恐怖など感情に左右されて結論を急いでしまうと、冷静さを欠いた判断となりかねません。決断をするためには両方の理由を整理し、論理的に考えることが大切です。
事例:20代男性 うつ病。元々内向的な性格で、合わない仕事に就いたため働いていて喜びを感じることが少なかった。社内環境は恵まれており、続けてさえいけばやりがいが見つかるかとも思っていた。しかし、会社からの期待に応えようと思う反面、次第にお客さんと接するのが怖くなっていった。
ビューズの支援:支援員からのサポートを受けつつ、辞めたい理由と辞められない理由を書き出したところ、辞められない理由は経済面の心配と、自分を拾ってくれた会社に対して申し訳ないと考える気持ちだと気付いた。周りに相談をした際「しんどいならやめても良いと思う」と意見を貰い、肩の力が一気に抜けて安心した。ビューズのプログラムで話すうち、自己犠牲的な考えに従うのではなく「自分を大切にしても良い」と思えるような考え方にも出会えた。支援員との面談を通し、不安や恐怖に対して冷静に捉えられるようになり、世間体を気にせず良くも悪くも「自分勝手」になることで退職の意思を固められた。決断をしきれずに悩むことが大きなストレスだったので、退職してからは不安はあるものの、不安を抱えて落ち込みを引きずることが減り、感じ方が変わってきた。退職してからは「どう頑張るか」ではなく「どうやったら元の体調に戻せるか」に目を向ける期間を経て、再就労を開始した。
いかがでしたでしょうか。
今回の事例の場合、退職の意思決定の際、支援員のサポートに加え、利用者の方同士の意見交換の中で気持ちが緩み、考え方を切り替えて自分で退職を決めることができたのが非常に大きかったと思います。非常に迷う場面ですが、様々な意見に触れられるビューズの環境を活かし、納得のいく意思決定をすることができましたね。
今後も様々なケースをご紹介していきます。
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