うつ病等の気分障害は、心と体に症状が現れます。日常生活・社会生活に支障が生じ、職場を休職する理由になることもあります。休職中は多くの不安が付きまといますが、ビューズ@名駅では復職支援に力を入れておりますので、悩みを相談するなど復職までのサポートを受けることができます。支援の事例は過去にブログをまとめていますので、よろしければご参照ください。
しかし、復職はあくまでも選択肢の1つであり、「復職か退職か」を悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。気分障害を発症する理由は様々ですが、もし職場でのストレスが原因の1つであると考えている場合、同じ環境に戻ることへの恐怖や不安を感じるかもしれません。しかし、生活費などの経済的な問題や、転職活動への不安から、復職以外の選択肢が思い浮かばず精神的に追い詰められてしまうこともあります。
「復職か退職か」というその後の人生に関わる大きな意思決定を、ビューズ@名駅でどのようにサポートしているか、事例を元に紹介します。今回は、シリーズ第5弾となります。
事例⑤:再休職を経て、退職を決意した事例
今回は再発後、退職を決意された方の事例を紹介します。うつ病は再発率がとても高い病気です。また、無理に働き続けて再発を繰り返すと、回復が難しくなってしまうことも特徴です。休職が複数回となると、どうしても他の同僚からの視線が気になり、「またか」と思われているのではと考えてしまいます。戻ると決めても「また戻ってきたんだ」と思われると考えてしまい辛いものです。一度やってダメだったと印象付いてしまうと、また同じ場所・同じ雰囲気の中で働く自信は無くなってしまいます。マイナスに物事を考えすぎてしまうと、退職した方が良いと気付きながらも前向きな決断ができなくなるものです。
事例:20代男性 うつ病。復職ののち再休職を経験。職場で期待されている役割と自分が実際にできる業務が合わないと感じていたが、すんなり就職できた訳ではなく就活にも苦労してきたので、再就職やそれに伴う就活をまた行う自信がなく退職の決心がつかなかった。退職に気持ちが傾いていたものの、勇気がなく踏み出せなかった。加えて「仕事を辞めるやつはダメな奴だ!逃げだ!」という考え方とプライドで復職以外の道が見えなくなっていた。
ビューズの支援:ビューズで会社を退職し就活中の方や、既に再就職をした方と出会い、過去に自分と同じ体験をしていると知る機会があった。未知のことに対する恐怖や心配や不安があったが、他にできた方が何人もいると、自分もやってみればできるのではないかと考え方に変化が生まれた。キャリア系のプログラムでは、再就職によって可能性が広がることもあるのだと知り、もっと自分の人生をいい方向に持っていくことができるのではないかと思えた。次第に、仕事を変えることは逃げではなく、おかしい事でもないと思えるようになっていった。そして、今の自分が改めて仕事を選んで変えるメリットを考えることができたので、仕事に対する考え方や価値観が前向きに変化した。
結果、退職の意志を職場に伝えることができた。退職後、仕事をしてはいないが籍を置いていたというだけで安心感を得ていたことに気付いた。退職手続きが終わり、改めて職がないという状況を実感すると不安はあるが、前よりも自由に将来を考えられるようになり、吹っ切れた気持ちで過ごせている。
いかがでしたでしょうか。
今回の事例の場合、「仕事を辞めることは逃げである」という考え方とプライドが意思決定を妨げていました。これは誰もが抱える葛藤だと思いますが、ビューズ通所を通して様々な可能性が見えてきて、前向きな未来が描けるようになることで、不安がありながらも退職の意思決定を進めることができた事例だと思います。
今後も様々なケースをご紹介していきます。
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