ビューズ@名駅では就労定着支援のサービスを行っており、生活訓練を利用中~利用後に6カ月の就労実績がある方は各市町村の判断に基づき、最大3年間サービスを受けることができます。定着支援のサービス内容は、月1回のグループワークと支援員による個別面談、およびイベント(特別プログラム、生活訓練の現役生との交流など)です。
このブログでは、定着支援をどのように活用していけばいいのか、先輩利用者様の声をご紹介します。
以前にも別の方の事例をご紹介しておりますので、よろしければご参照ください。
https://x.gd/bLvhZ
定着支援を3年間利用された Uさん うつ病(30代女性)
・どのような内容を相談していましたか?
→1か月間の出来事の中で、喜怒哀楽の感情が強く動いたことを話していました。
スタッフコメント:再発予防として考えた場合、何より重要なのはストレスの早期発見・早期対処です。感情はストレスのアラームと言われており、早期発見をするためにも感情の変化をとらえることは大切です。Uさんはこの点を丁寧に拾って言葉にしていたため、相談に応じる支援員もポイントを絞った相談につなげることができました。
・再発防止に役立ったビューズでの経験・知識はありますか?
→スモールステップの重要性(PDCAサイクル)
出来事を思い込みで事実にしないこと(CBGTアプローチ※)
スタッフコメント:上の2つは、ストレスに対応していくにあたって重要なポイントです。
スモールステップ=自分が取り組める負荷のチャレンジを指し、苦手なこと・避けたくなることの克服につながります。
思い込み=自分の偏った捉え方を指します。私たちは、目の前の出来事をそのまま受け取るのではなく、必ず自分というフィルター(=捉え方)を通します。そのフィルターがネガティブに偏ったまま事実として捉えてしまうと、ストレスを増やしてしまうことがあります。例えば、友人から挨拶が返ってこなかったとき、「自分が何か悪いことをして嫌われてしまった」と捉えると気持ちが落ち込んでしまいますが、本当は挨拶の声が小さくて聞こえなかったので返事がなかった可能性もあります。思い込みで判断せず、事実を確認するように心がけることで、ストレスを広げすぎないようにできます。
※ビューズにおけるCBGTアプローチの紹介ページはこちら
https://www.view-s.jp/support/01.html
・苦労したことはありますか?また、実際に取り組んだことを紹介していただけますか?
→【スモールステップ】
今でこそ何とも思いませんが、ビューズ在籍時はスーツ姿の男性が怖かったです。新卒入社した時のスーツは処分し、見ることも着ることも拒絶していました。就活する上でスーツが必要になるも、売り場に行くことができずにいました。
そこでいきなり買うのではなく、①売り場を1周する ②特定の商品を見にいく ③ゆっくり1周するなど、いくつかの段階を経て買うことができました。強行突破で買えた気もしますが、勢いではなく、ゆっくりと商品を選び、気に入ったものが買えたので「スーツ」に対するイメージは少し良いほうに変わり、着ることへの抵抗もなくなりました。
今もスーツを着るのは好きではありませんが、「怖い」からではなく、「肩がこるから」と違う理由が明確にあります。段階を経たことで認識がゆっくりと変わったのが良かったのではと思います。
→【出来事を思い込みで事実にしないこと】
「こうあるべきだ」、「1つ嫌なことを言われるとその人が嫌いになる」「思い込みを事実と認識する」といった癖がありましたが、一歩立ち止まって「本当か?」と疑い、実際に様子を観察することで自分の思い込みだったと気づく。この繰り返しで、自分にあった思考のクセがなくなり、「普通の生活」が送れるようになりました。
スタッフコメント:Uさんはここに上がっている内容以外にも、会社の中でたくさんのスモールステップに取り組まれています。また、思い込みについても、徐々にUさんが自分から疑うようになり、ストレスが減っていく様子が印象的でした。
仕事が忙しいと、つい自分の課題への取り組みを後回しにしてしまいがちです。取り組み継続にはどのようなコツがあるのでしょう。実際にお聞きしてみました。
・定着支援を利用し続けたのはなぜですか?
→病院とは違う角度からの支援が欲しかったからです。月に一度、30分じっくり話す環境が自分には合っていたと思います。個別面談と病院の診察で同じことを話しフィードバックをもらうことで自分の考えや捉え方が合っていたという自信がつきました。2か所で違うことを言われることもありましたが、その中でも取捨選択できていたと思うので、いい体験ができました。
いかがだったでしょうか?
卒業後とともに課題が解消されるわけではなく、社会復帰後こそが本番です。忙しく過ごす中でも、定期的に通って実践している対処法を報告し、有効性を確認しながら仕事での実践を繰り返すことで、Uさんは安定した就労を継続されています。定着支援の後半では、勤務時間を徐々に延ばし、職場内のステップアップの話も上がっていました。課題や体調の波に邪魔されず、職場で真面目に働いてきた実績を認められてきたからこそですね。
今後も、定着支援の実例を皆様にお伝えしていきます。