ビューズ@名駅は、気分障害の方を対象にした社会復帰支援を行っています。過去に就労経験がある社会人の方が主な利用層ですが、実は休学中かつ主治医の診断書があれば、大学生の方も1年次から利用することができます。
ビューズ@名駅は「生活訓練」というリハビリを目的にした施設です。生活リズムが乱れている、人と交流する機会が作れず不安、気分の落ち込みから抜け出す方法が分からない、考えこみすぎてしまう癖がある、これから自分がどうしていくか悩んでいる…こういった困りごとは、立場に関係なく共通して悩みやすいことであり、ビューズの支援で改善を目指すターゲットです。
今回のブログでは、ある大学生の方がビューズでどのように過ごし、変化していったのかの事例をご紹介します。
事例:Oさん(20代)
ビューズを初めて知った経緯
→通院先の病院の主治医から、復学を見越して外での活動を強く勧められ、ビューズを紹介されて知った。
見学、体験、利用などでのビューズの第一印象
→想像していたより雰囲気が明るい。事業所がすごくきれいだと感じた。緊張していて、この環境になじめるか、慣れるまでかなり時間がかからないかと不安だった。
スタッフコメント:ビューズでは、本利用の前に事業所内見学にて支援内容の説明や、事業所内の各部屋をご案内しています。また、実際にプログラムに参加して雰囲気を見る「体験」の機会を最大3回まで設けています。Oさんは初めてお会いした際、非常に緊張しており、不安そうに周りを気にされていました。しかし、体験を通じて徐々に利用者同士の交流やプログラム参加に慣れていかれました。
ビューズを利用して得たもの
→・問題や課題を抱え、自分と葛藤しながら日々を生きているのは自分だけではないという本当の実感。
・辛いときでも客観視をして、自分を冷静に把握する重要性の認識。
・周りの様々な社会的サポート資源。
・自分では解決が難しいと感じたら、誰かに相談する習慣。
スタッフコメント:Oさんは非常に真面目な方で、不安ながらもプログラムに積極的に参加していました。当初は、自分の考えをまとめるのが苦手で、周囲に頼ることを諦めてしまう癖がありました。ビューズが思いを受け止めてもらえる環境だと分かってからは、自分で考えこみすぎる前に困っていることを打ち明け、周りからのアドバイスをもとに行動できるようになっていきました。得たものの中に「周りの様々な社会的サポート資源」とありますが、ビューズの環境と本人の行動の合わせ技でつかんだ結果ですね。
ビューズの利用前後で自分が大きく変わったこと
→・自分の状態を客観視できるようになったこと。
・自分の好きなことや得意なこと、課題や苦手なことをよりはっきりと理解できるようになったこと。また、その苦手を自分なりに克服する方法を考えて、実践できるようになったこと。
・自分の個性や気持ちを表現することに抵抗をあまり感じなくなったこと。
・いろんな人と出会うことで、様々な生き方、仕事を知り、視野が広がったこと。
スタッフコメント:Oさんは、自分の気分の波や不調の原因をつかめずに悩んでいました。プログラムに参加する中で、自分の体調を記録するアプリを教えてもらったり、他の利用者から話を聞いたりする中で、少しずつ自分の状態を客観視することができるようになっていきました。また、社会人として様々な経験、働き方をしていた方の話は、大学生のOさんにとって自分がこれからどうしていくかを深く考えるいい刺激になったようです。
ビューズのサービスを利用してよかったこと、ビューズのここがためになったなど
→・どのプログラムも中身が充実していて、学びを得ることができ、通所(活動)意欲がすごく湧いた。プログラムは基本、グループワークが中心で、他の利用者の考えや取り組み状況を知れたり、フィードバックをいただけたりして、とてもためになった。
・通所を重ねていくうちに、だんだん利用者やスタッフさんとの「つながり」を感じられるようになってきて、安心できる居場所になったのがすごくよかった。
・利用者同士での自主的活動を企画して実行・運営する等、ビューズは利用者が挑戦する環境を用意してくれていたこと。
スタッフコメント:Oさんは通所の後半で、ビューズ内のイベント企画に携わりました。ゲームの企画を考えて当日参加者に案内をしたり、全員の前で冗談を言って笑いを誘ったりと、緊張が強かった当初では想像もできなかったような変化が起きていました。それは決して偶然ではなく、通所のハードルを調整し、適切な負荷をかけて徐々にできることを増やしていったことで起きた必然だったと感じます。
復学を目指している方へのアドバイス
ビューズでの活動を通して、いろんな出逢いや人生の学びがあると思います。ビューズで学んだこと、得たことを忘れずに、まずは自分らしく人生を歩んでいってほしいと思います。ビューズのその先に復学という1つの目的(ゴール)があるならば、それに向かって、今できることを、できる範囲でコツコツとやっていければ十分だと私は思います。
病気になったから、失ったものもあるかもしれませんが、逆に得るものもあったと思いますので、希望をもって進路を決めて歩んでいってほしいと思います。困った時や行き詰まったときはスタッフさんを頼りながら、視野を広げて、乗り越えていってほしいと思います。
スタッフコメント:復学前に、ビューズ、Oさん、学校側と話し合い、Oさんのサポート体制を作りました。ただ、自分から助けを求めることができなければ、いくら体制があっても機能しません。復学後にお話を伺った際も決して順調なことばかりではなかったようですが、ビューズで身に着けた自分の体調を客観視する力、周囲に助けを求める力を活かし、懸命に前に進もうとしている姿が印象的でした。
いかがでしたでしょうか?
今休学中の方の中には、「復学するか、退学するか迷っている」という悩みを抱えているかもしれません。
Oさんも最初は周りの意見や世間の評価を気にして進路を決められずにいましたが、最終的には復学を決められました。一方で、退学の意思決定をされた方も過去にいらっしゃいます。共通しているのは、ビューズの通所を通してじっくりと自分に向き合い、最後は自分の意思で決められるようになったことです。
もし悩まれている方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡をお待ちしております。
Oさん以外にも、現在ビューズのHP内で「卒業生の声」として、ビューズに通ってみての様々な感想が掲載されています。よろしければご覧ください。
https://www.view-s.jp/voice/index.html
今後も様々な事例をご紹介していきますので、ビューズを検討する際にお役立ていただければと存じます。